古井論理
古典SFの名作にして問題作「二十世紀のパリ」
皆さんは、ジュール・ベルヌという黎明期のSF作家をご存知でしょうか? SFの始祖とされることも多く、海底二万里や十五少年漂流記が著名で、宇宙戦争で有名なH.G.ウェルズ氏とは大激論を繰り広げたこともある、今でこそ児童文学のイメージが強い彼ですが、大人向けに、いや大人が読むからこそ面白い作品も数多く残しています。特に私が推したいのは「二十世紀のパリ」。この作品は執筆当時から百年後を舞台に、十九世紀の文系人間にとっては極めてディストピア的な世界を描いた本格的なSF作品です。この作品、書かれた当時はあまりにも絶望的な展開と主人公の架空人物感から編集者に没にされたのですが、ヴェルヌの没後しばらくして「発掘」され、日本語訳されたものが二版存在します。絶望的なまでの文系人間が、理系、特に工学と効率化のために最適化された世界で何を見て何を思うのか、といったテーマの作品ですので、是非図書館に繰り出してみては。自分の好きなものが世界から必要とされないという絶望と恐怖が描かれていて面白いですよ。
2026.09.20 午前 3:00 (編集済み) · 閲覧数 26
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Lv.1
フクモン
ジュール・ベルヌの隠れた名作を紹介するとは、古井さんらしい鋭い視点ですね。文系と理系の対立を描くディストピア、図書館でじっくり読み解いてみたくなりました、ホウ。
Lv.22
花井なぽん
有名どころは読んでましたが、この作品未読です! ディストピアと聞いて尻込みしますが、ちょっと頑張ってみたい……!

