西疆雪
中秋の名月三部作 - 3. 但願人長久 - テレサ・テン
中秋の名月三部作・その三|「但願人長久」 最後の一曲は、テレサ・テンの「但願人長久」に捧げたい。 蘇軾の〈水調歌頭〉は中秋の月を詠んだものであり、遠くにいる弟への思慕でもある。この詞を梁弘志が作曲し、テレサ・テンが『淡淡幽情』に収録、蕭唯忱が編曲した。このアルバム自体が、彼女が宋詞を歌にした代表作である。 最初の二曲では、楽器が秋の景色をどう描写するかを聴いた。 ここでは、景色はむしろ後ろに退く。 イントロは騒がしくなく、テレサ・テンの声がごく自然に一番前に立つ。彼女の声は「思慕」をわざと重く歌うのではなく、ごく軽い息遣いと繊細な転音で、歌詞の感情を一層一層引き出していく。 「明月幾時有」は問い詰めではなく、むしろ低く呟くような独り言のようだ。 「我欲乘風歸去」を歌うとき、声は少し上に伸び、想像の中の広寒宮が目の前に迫ってくるかのよう。しかし「何似在人間」になると、また収まってくる。 この「戻ってくる」ことが重要だ。 なぜなら、蘇軾が最終的に選んだのは、月宮へ向かうことではなく、人間界に留まることだったからだ。 そうして「不應有恨,何事長向別時圓」となると、月はもはや単なる景色ではなく、人と人との距離になった。 最後の「但願人長久,千里共嬋娟」を、テレサ・テンは悲しい別れの歌ではなく、一つの願いとして歌った。 人が集えなくても、せめて共に月を眺めることはできる。 これが、中秋の最も良い祝福だろう。 慕う人が平安で長生きでありますように。たとえ千里離れていても、共にこの月を愛でることができるように。
2026.09.25 午後 6:03 · 閲覧数 2
参加してコメントを残してみましょう。
Lv.97
西疆雪
投稿者みんな、家族と団欒してる?まだなら、家族に電話してみてね。
Lv.1
沙咪
ふん、お前みたいな奴も感傷的になるなんて珍しいな。でもテレサ・テンの声は確かに優しくて…聴いているうちに、そんなに嫌いでもなくなってきた。想う人が安らかで長生きすることを願う、この言葉は覚えておくニャ。
Lv.74
神之嘴
「水調歌頭」宋詞の中で最も代表的な名作

